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2006年5月

2006年5月31日 (水)

日本企業も海外投資が本格化

対外直接投資5兆円超す・05年度、15年ぶり

(日経新聞、06年5月31日付)
 日本企業による対外直接投資が2005年度は前年度比32%増の5兆800億円となり、15年ぶりに5兆円を超えた。そのうち現地での再投資のために海外法人が内部に積み立てた利益の額が同2倍の1兆6000億円に拡大し、全体の投資額を大きく押し上げた。親会社からの資金に頼らず、現地で稼いだ利益を再投資に回す構図で、日本企業のグローバル化は海外拠点の「自己完結型」での拡大という新局面に入った。

 日本の対外直接投資が増え始めたのは円高や欧米との貿易摩擦が増え始めた1980年代後半から。89年度には過去最高の7兆3500億円となった。ただ、バブル期のカネ余りを背景にした無理な投資も多く、93年度には1兆6000億円にまで激減した。

 とくに、こうした対外直接投資の中身ですが、在外法人の再投資によって増加していることが大きな特徴です。

 今回は日本企業の海外現地法人が再投資のために積み増した利益の内部留保額が急拡大、直接投資額の3割強にあたる1兆6000億円まで増えたのが最大の特徴だ。これは01年度の1兆700億円を抜いて過去最高の水準。現地法人の内部留保の増加分は日本本社の投資持ち分の拡大につながるため、統計上は対外直接投資額に含まれる。

日本企業は、これまで国内で作った製品を、対米中心に輸出して利益を出す形でしたが、この構造が、海外進出・海外生産での利益にシフトしている姿が浮かびます。

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2006年5月29日 (月)

「増益組」に2パターン 今期増益率ランキング

「増益組」に2パターン 今期増益率ランキング  (日経金融新聞、5月26日付)

 2007年3月期の上場企業の予想連結経常利益(米国会計基準採用企業は税引き前利益)を増益率順にランキングしたところ、半導体、液晶メーカーの増産投資の恩恵を受けるニコンや東京エレクトロンなど、前期から引き続き好調を持続する企業が目立った。原材料価格の高騰を製品価格に反映する日本ハムや不採算事業をリストラしたセイコーエプソンなど、大幅に改善する企業も上位に入った。 

 この2パターンとは、「増産投資」という投資回復型と、2000年代からすすんだ、リストラ回復型というパターンと見られます。

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2006年5月20日 (土)

個人マネーが円高・株安を加速する?

 「日経金融新聞」5月15日付トップ記事は、世界的なマネー変調の節目に、個人投資家の動きが、けっこうカギになりそうだと指摘しています。

 ひとつは、「円高」要因で、デイトレーダーは、「逆張り」(下落局面では買い、上昇局面ではすかさず売りを出す)を手としている。そのとき、使っているのが「外為証拠金」というもので、円高局面で、この含み損が膨らむと一斉に売りに走る、という行動をとるという。たとえば、こんな例をあげながら、説明していて、分かりやすい。

 (ある個人投資家の例) 円相場が1ドル=113円台後半の時に、10万円の証拠金で、1万ドルの円売り・ドル買い注文を出した。/連休明けの8日の海外市場で円相場は110円台に突入した。この時点で含み損は、ざっと3万円。預けた証拠金の三割になった。/9日まで様子を見たが、相場環境は変わらず、たまらず「円買い・ドル売り注文を出した。円相場はその後、1時109円台まで上昇し「判断が遅かったら追加の証拠金を求められた可能性もある」

 今回の局面は、〇五年夏に、東京金融先物取引所が外為証拠金取引を上場して、初の円高・ドル安局面であり、個人投資家の動きが注目されるとしています。投資力が弱小なだけに、逃げ足も早い、というか、損失もでやすい、特徴を現したものではないでしょうか。

 もうひとつは、「株安」に向けた、個人投資家の動向が解説されています(こちらは略します)。

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2006年5月18日 (木)

投下資本利益率でみた企業価値(TBSの事例)

5月18日付「日経金融新聞」の記事。「投下資本利益率」という指標を解説していた。

TBS、企業価値向上に時間、株主資本のスリム化必要――投下資本利益率2.3%に低下

 TBSの業績が底入れし、07年3月期から回復基調に入る。低迷していた視聴率の回復を狙い、前期は積極的に番組制作費を投入。大幅な営業減益となったが、朝の情報番組にみのもんた氏を起用した効果も出て全日帯(6―24時)の視聴率は8%台を回復した。楽天の株式大量取得により、にわかに企業価値の向上が求められるようになったが、利益回復にはメドがついた。しかし、この数年で膨らんだ投下資本に見合う利益を上げられるかどうかは、依然疑問符がつく。

投下資本利益率(ROIC)とは、「税引き後経常利益/投下資本」。
投下資本は有利子負債、退職給付引当金、少数株主持分、資本の部を合計したもので、「いわば企業が調達したお金の合計」。ROICは、このお金を元手にどれだけ利益を稼ぎ出したかという収益性を示す。
TBSは、2001年の6・9%以降、このROICの低下が続き、前期は2・3%に。昨夏、村上ファンドのTBS株買い増しの情報にたいし、第三者割当増資を実施したことから、株主資本は膨らみ、一方、営業利益が減少したことが、大きな要因である、と記事は述べている。

もう一つ、ポイントは「投下資本のコスト」である。資本コストのうち、株式のコストは、長期国債の利回り(約2%)に、リスクプレミアム(5%と仮定)×ベータ値(市場の動きに対する感応度=1と仮定)をたしたもので、計7%程度となる(これを「CAPM理論」という)

資本コストは株式時価総額と有利子負債の比率で加重平均するので、この7%に近くなる。つまり、ROICが7%を下回っている状態では、どれだけ利益を生み出しても、投下資本の維持コストに届かない。企業価値の向上につながらない、という仕組みになっている。

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2006年5月17日 (水)

官僚的行政には「愛がない」

 自治体問題研究所の月刊誌『住民と自治』6月号で、「わたしたちの都道府県政研究」という興味深い企画をやっております。
 各県政の分析を、地元の研究運動のサイドからみた紹介が10本ほど。それぞれ、特徴の出ている分析がされています。

 とくに北海道、佐々木忠氏(「道州制を考える会」)の「『小さな県庁』に希望はあるか」の文末の言葉が胸に響きました。

 四月の人事異動で退職したA部長は「これから道庁が、北海道がどうなるのか、全くみえない。庁内論議も、小泉改革に沿っているかどうかだけで裁断され、多様な議論は許されない雰囲気が支配している」と顔をくもらせる。
 高橋知事が三年前に当選して最初にあいさつに向かったのは経団連会長・奥田ひろしであった。一橋大学の先輩の奥田会長を経産官僚時代から師とあおいでいた、という。財界本流に直結する都道府県政として特異な位置にある。
 「愛がないねぇ。って高橋はるみ知事のことなんだけどさ」(「朝日新聞」〇六年三月一九日付)、北海道いい旅研究室の館浦海豹編集長はあえて語った。「…本当の気持ちは行動で現れることを痛感しながら、はるみの政治には愛が感じられないねぇ」とつぶやいた。これは「あざらし日和の温泉日記」だが、そこには霞が関官僚的な視点ではなく、庶民の目線で、直感的に感じた道政への懐疑心が表現されている(二三ページ)

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2006年5月16日 (火)

チャベス氏、米のイラク威嚇を批判

 アメリカのイラン核疑惑にかかわった攻撃で、ベネズエラ大統領は、批判の見解を表明しています。

米国がイラン攻撃すれば原油は100ドル台に=ベネズエラ大統領 (2006年05月15日12時35分、アサヒ・コム)
 [ロンドン 14日 ロイター] ベネズエラのチャベス大統領は14日、核問題を巡り米国がイランを攻撃すれば、原油価格は100ドル台に急騰する可能性があると述べた。
 大統領は訪問先のロンドンで、イランは攻撃されれば、原油生産を減らして米国に対抗するだろうと指摘。「米国がイランを攻撃すれば、原油価格は1バレル=100ドルか、それ以上になる可能性がある。さらにイランはイスラエルを攻撃するとも言っている」と語った。

 また、Financial Times 紙では、この発言を紹介した記事(15日)で、新自由主義的政策の変更を求めています。

 イギリスに到着する前に、チャヴェス氏がリポーターにこう語った。「我々の国の寡頭政治は深刻だ、極右は自暴自棄だ、帝国の小さい愛玩犬は自暴自棄だ。 我々はワシントン・コンセンサス、我々国民を圧迫する新自由主義的プロジェクトに対して根本的な変更を求める。 ベネズエラ (Venezuela) の我々は新しい社会主義を要求している。」(Chavez warns on oil production cuts,By Daniel Dombey, Diplomatic Correspondent インターネット判より)

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