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2007年1月26日 (金)

経済財政諮問会議第一回で、WE導入のホンネ

 ホワイトカラー・エグゼンプション(WE)の法案提出については、安倍首相が「見送り」と言ったが、内閣・財界ですったもんだが続いている。18日、今年第一回の経済財政諮問会議の議事要旨でも議論されていた。
 http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2007/index.html
 
 まず、この制度への世論の批判について、相当、こたえているような発言がある。諮問機関がつくった「労働市場改革調査会」責任者の八代尚宏氏だ。
 
「…なかなか国民に理解していただけない。今回のホワイトカラーエグゼンプションもそうだが、反対派が『残業代ゼロ法案』とワンフレーズで表現した。これに対してちゃんとした対応がとられていない。私は早くから、…、これは『残業の定額払い法案』であるというべきと考えていた」。

 これを受けた、伊藤忠代表取締役会長の丹羽宇一朗議員の発言に注目する。

 「ホワイトカラーエグゼンプションについては、どうも風潮として経営者が悪人でいつもいじめているようにとられがちだが、そういうことではない。ホワイトカラーエグゼンプションの本当の趣旨は、大手企業の大部分がそうだが、若い人でも、残業代は要らないから仕事をもっと早くスキルを身につけてやりたい、土日でも残業代は要らないから出社したいという人がたくさんいる。しかし、経営者がしてもらっては困ると言っている。なぜなら出社されると残業代を全部払わなければいけない。家で仕事をするよりも、会社に来て色々な資料もあるし、これで自分が人よりも早く仕事を覚えて仕事をしたいんだと。それを今は仕事をするなと言っている。ホワイトカラーエグゼンプションの制度がないからだ。だから、少なくとも土日だけはホワイトカラーエグゼンプションで、残業代は要らないから仕事をさせてくださいという人に、仕事をするなという経済の仕組みというのは実におかしい。これを何とかしてあげたい」。

 労働者が自ら残業代が要らないから働かせてくれ、と言っている。しかし、「残業代を全部支払わなければいけない」から、それにストップをかけているのが問題だという。結局、「生産性の向上」とか言い直しているけれど、「残業代を払わない」と明言しているわけで、WE法案は「残業代ゼロ法」だと言っているようなものだろう。
 
 前に、『週刊東洋経済』1月13日号特集「雇用崩壊」で、労働政策審議会労働条件分科会の奥谷禮子氏の発言を引用して、私は「一経営者としては、こういう資本の塊のような方もいるのは事実だろう。しかし、国の政策審議委員にふさわしい発言とはとても言えないのではないだろうか」と書いたけれど、ちょっと甘かった。
 奥谷氏のような「過労自殺も自己責任」という主張は、やはり現在の日本トップの経営者の、「残業代根絶」「派遣自由化」を主張にみられる大きな本音だと言えるだろう。

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