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2007年3月31日 (土)

奴隷貿易禁止法制定200年で市民行動(ロンドン)

 3月25日、イギリスで奴隷貿易禁止令成立、200周年の行事が、各地でとりくまれていたという記事を読みました。英政府はこれまで、奴隷貿易について「深い悲しみ」を表明してきましたが、正式な「謝罪」表明を求める市民の声も広がっていることを伝えています。

 奴隷制を過去のことにしてしまうのではなく、歴史から学ぶべき教訓は、人種問題の現代的課題として生かされる必要があるのでしょう。

「朝日新聞」3月25日付より

■英、奴隷貿易禁止から200年 市民が「鎖の行進」
(2007年03月25日 asahi.com)
 英議会で奴隷貿易を禁止する法律が成立してから25日で200周年。奴隷の苦しみを追体験する「鎖の行進」などの記念行事が各地で開かれた。政府も「現代の奴隷制」とされる人身売買の規制に乗り出すなど、官民一体となった取り組みが始まっている。
 「私たち白人は、あなた方の手で鎖につながれることで、アフリカで何があったのかを感じたいのです」
 ロンドン郊外の学校で23日、「鎖の行進」を率いるキリスト教系団体のデービッド・ポットさん(60)は約80人の黒人の子どもたちに語りかけた。
 鎖の行進が、奴隷貿易禁止法成立の立役者とされるウィリアム・ウィルバーフォース議員の出身地のイングランド地方北部ハルを出発したのは今月1日。奴隷の中継地だったロンドンまでの約400キロを歩き続けた。
 行進に参加したカリブ海・仏領マルティニク出身のモネット・タパ・ネコモウさん(43)は「黒い肌は隷属の印ではありません。我々が誇るべき歴史のあかしなのです」。子どもたちから拍手がわいた。
 奴隷制への批判が高まる中、ブレア英首相は昨年11月、英紙に投稿し、「(奴隷制を)深く恥じる」と遺憾の意を表明。今月7日、訪英したガーナのクフォー大統領との共同記者会見で「改めて申し訳なかった」と謝罪した。
 鎖の行進などの取り組みは、急速に広がる人身売買にも光を当てる。英内務省は03年、少なくとも外国人女性4000人が英国内の性産業に売り渡されたと推計。5年後のロンドン五輪が人身売買を加速させるとの懸念も出ている。
 内務省は23日、暴力団などが仲介する売春や他の低賃金労働を「現代の奴隷制」と位置づけ、厳しく取り締まるための新たな行動計画をまとめた。

もう一つ「しんぶん赤旗」(3月26日付)より

■奴隷貿易禁止法制定200周年 政府に謝罪求める ロンドン

 【ロンドン=岡崎衆史】奴隷貿易禁止法制定二百周年を前に、ロンドン市内で二十四日、英国教会主催の行進と集会が行われ、警察発表によると約三千六百人が参加しました。参加者は、過去を反省し、人間へ抑圧を繰り返さないよう訴えました。
 参加者は二手に分かれてロンドン南部のケニントン公園まで行進。途中、テムズ川のふ頭では、ロンドンから奴隷貿易に出港した船の数である「二千七百四」を記した花束を小船に置いて犠牲者に祈りをささげました。
 集会では、英国教会の宗教上の最高位にあるウィリアムズ大主教が、「今日私たちが行っているのは、奴隷貿易にかかわった人々、非人間的な仕組みを維持していた人々は、あなたや私と同じ人間だったと認めることだ」とあいさつ。奴隷貿易の問題を過去の特別な人たちの問題とせず、現在の問題に対処する糧にするよう訴えました。
 英国教会は昨年二月の総会で、自らの奴隷貿易への関与を正式に認めて謝罪。英国教会関連組織は、カリブ海の島国バルバドスの農園に奴隷を保有し、奴隷貿易にかかわっていました。
 二十五日の奴隷貿易禁止法議会通過二百周年を機会に、英政府に正式の謝罪を求める動きも強まっています。
 リビングストン・ロンドン市長は英紙ガーディアン三月二十一日付に寄稿し、奴隷貿易へのロンドン市の関与を正式に謝罪。さらに、奴隷貿易は人道への犯罪だとして、「英政府は正式に謝罪しなければならない」と訴えました。同市長は、ドイツのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)への謝罪を例に、大昔に起きたことだとして、謝罪を拒否する人々を批判。罪を認め謝罪することは自虐的だとの意見については、「まったくばかげている。自国とその業績への愛情は、事実に基づくものであるべきであり、その否定に基づくべきではない」と反論しました。
 ブレア首相はこれまで、奴隷貿易について「深い悲しみ」を表明しているものの、正式な謝罪は避けてきました。
 奴隷貿易は十五世紀半ばから十九世紀初頭まで続き、アメリカ大陸に送られたアフリカ黒人は、一千万人から二千八百万人とされます。

 もう一つ、資料として以下の新刊は読んでみたい。

 ピーター・フライヤー 著『大英帝国の黒人』

(日野壽憲 訳 定価:2000円) 発行年月日:2007年1月10日発行
サイズ:A5判上製 224ページ  ISBN 978-4-7807-0303-0

http://www.honnoizumi.co.jp/cargo/shop/0303.html

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