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2007年8月31日 (金)

北九州市餓死事件の告発状を読む(素人ながら)

 24日、北九州市小倉北福祉事務所長に対し、餓死事件に関して、「刑事告発」がされた、告発状原文を読んでみました。

 (告発状全文は、生活保護問題対策全国会議のホームページ。要旨が、8月25日付、「しんぶん赤旗」に掲載)

 私は法律問題は、ほとんど素人で、告発状を読でみたところで、十分理解できるとは思えません。

 でも、たんに餓死者が出たことへの社会的追及、というだけではなく、どういう法的な論理で、罪状認定しているかは、本件の問題性をはっきりさせる上で大事なポイントだと思いました。
 以下、私の理解できる範囲で、告発状から書き抜いておきます。

 福祉事務所長の告発の罪状は、(1)公務員職権濫用罪、および(2)保護責任者遺棄致死罪、というものです。

 (1)公務員職権濫用罪(刑法193条)
  「職権を濫用」とは、公務員が、「職権の行使に仮託して実質的、具体的に違法、不当な行為をすること」をいいます。
 では、何が「実質的、具体的に違法、不当な行為」なのか。
 餓死させられた男性にたいし、あたかも生活保護法にもとづく「指導指示」であるかのように、男性に「保護辞退届」を書かせて、生活保護を廃止したこと。この点が、「指導指示に仮託した職権濫用」だとされています。
 「被害者は、憲法25条及び生活保護法1条などによって保護受給権を保障されており、被告発人の保護廃止によってその正当な権利行使が妨げられている」という問題です。

 (2)保護責任者遺棄致死罪(刑法219条、218条)
  この「保護責者」とは、「老年者、幼年者、身体障害者または病者すなわち要扶助者の生命の安全を保護すべき法律上の義務を負う者」をいいます。「社会通念上、危険の防止が委ねられており、要扶助者の安全を支配できる地位にあるとき、その者に保護義務が生じ」るのです。

 「被告発人」(福祉事務所長)は、「被害者に対しても、その生命を保護すべき法律上の義務を負っていた」。そして「生存に必要な保護をしない」とは、「老幼者に食を与えないとか、病者に薬を与えないというように、要保護者と場所的には隔離しないで生存に必要な保護責任を尽くさないこと」だと告発状は書きます。

 本件では、昨年起きた北九州市門司区での餓死事件を踏まえて、被害者の生命の危険を避ける「最大限の措置を講じるべきであった」。にもかかわらず、逆に、「敢えてこれに反する運用を行っていた」。「結果回避義務違反が認められるのであって、重い結果に対する過失があることは明らかである」。

 以上から、「告発理由」の中身をまとめてみると、

 (1)被害者を死に至らしめた「罪」が、生活保護法をねじまげて、「辞退届」を書かせたという「職権濫用」にあったこと。
 (2)そして、以前から同様の問題を引き起こしていたにもかかわらず、「保護義務」を果たさなかった点。

 というあたりが、読み取れるかと思います。

 なんで法律素人の私が、あえて、この中身に目を向けたかというと、とにかく公務員はヒドイ、という「公務員バッシング」になってしまっては、告発の社会的意味をなさず、逆に公務員攻撃ににまきこまれる恐れが強いと思うからです。
 きちんと「告発」されてしかるべき問題の所在を踏まえるべきです。

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