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2007年10月29日 (月)

中西新太郎講演「格差社会と若者の今」

 27日午後、首都圏私大研究集会に参加して、中西新太郎さんの講演(横浜市立大学教授) 「格差社会と若者のいま -貧困と縁辺化のなかで生き抜く」をお聞きしました。

主催は、東京私大教連です。

 90年代後半から、日本の若い人の意識に、明確な変化が起こっている。この変化の内実を「貧困化と縁辺化」というキーワードでつかむことが、お話の主題です。

現れの端的な例証は、若い人がモノを買わなくなった。九〇年代まで大学生の間で当たり前になっていた、海外旅行が消え、ネットサーフィンになった。

また将来的な見通しの転換です。今の日本の若い世代は、「夢を持たない」ことの方が、普通だし、ホリエモンのような市場社会でのギラギラした「勝ち組」を目指さない、というのは、むしろ人間としてはまともだとみるべきではないか、と中西さんは評価しています。

約1時間半のお話の後、いくつかの質問応答があったのですが、この中で、中西先生が紹介した、最近の体験からのエピソードが、私はとても印象的でした。

 それは、《競争主義的な教育が、「悪いのは自分」だという自己責任論の考え方に、どう影響を与えているか》というような質問でした。

 90年代以降、「競争主義」の中身、文部省の教育観は、大きく変わって、「個性」が重視されるようになる。この「個性重視」のもとでの競争は、非常に過酷なものになったと、いう点です。  点数による序列付けの方が、まだ自分の評価がはっきするす。「個性」をもて、などと言われると、一人ひとりが厳しく問われる形になります。

 これは、中西先生自身が最近失敗した例のエピソードです。
 30人くらい1年生の授業で、よく質問をしてくる学生がいて、「先生は、教育基本法に反対しているのはなぜですか」。うっかり、やりとりの際に、「君はなんで大学に来ようと思ったの?」と聞いてしまったら、「それは、秘密です」との答え。
 これは中西先生の「失敗だった」と、述べていました。人に対しては、気軽に質問を投げてくる学生でも、自分の本心は、まわりに明らかにならないように、必死に守らなければならない。それなのに、「なぜ大学に?」というのは、「秘密」のままでいいことなのに、つい聞いてしまったという失敗です。

 確かに、私も現在の若い人たちの「文化状況」「意識状況」に接する機会に、相当、複雑で、アンタッチャブルな感じを受けています。

 しかし、当たり触らぬ、では状況はますます、深刻化してしまうでしょう。

 では、次世代の人たちの意識の「壁」」の向こうに届く言葉、メッセージとはどこにあるのか。よくよく考えてみる必要があると思っています。

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