「みなし労働制」という残業代未払に是正勧告
大手旅行会社「阪神交通」の子会社で働く、「派遣旅行添乗員」(ツアーコンダクター)の残業代の支払いなど、条件の是正を求めていましたが、東京・三田労基署の是正勧告が明らかになりました(3日)。
「給料打ち切り制度」というやり方は、同業界はじめ、多くの業種で横行していると思います。今回の「勧告」が、その社会的解決にも広がることが必要ですね。
私は、9月18日の「ユニオン Yes!」集会で、この労働組合員の方の発言を聞きました。「ツアコン」というトレンディな取り上げられ方とは裏腹に、その「派遣添乗員」としての労働条件のひどさ、無権利ぶりに驚きました。
その労働実態の一端が、労組のブログ記事に書かれています。
■「みなし労働は認めない」「添乗員に残業代を払え」
阪急トラベルサポートに労基署が是正指導出す!
添乗員の労働時間については、業界団体の調査でも国内ツアーで平均14時間、海外ツアーでは10時間から16時間以上が95%を占めています。1日8時間という労働時間の原則は適用されず、「超」がつくほどの長時間労働を強いられています。それにもかかわらず、添乗員の日当は国内平均で9212円、海外平均で12743円、平均年収は230万円にしかなりません。いま話題の「ワーキングプア」(働く貧困層)の典型例です。
こうした長時間労働と低賃金の原因となっているのが、労働時間の例外である事業場外みなし労働という制度(労基法38条の2)を旅行会社が無理やり添乗員の仕事に当てはめることによって「どれだけ働いても残業代はゼロ」としてきた業界の長年の慣行でした。
以下は「朝日新聞」3日付の夕刊の報道から。
■ツアコンの残業代認める 東京・三田労基署が是正勧告
2007年10月03日19時34分 朝日新聞長時間働いても一定の給料しかもらえない旅行添乗員(ツアーコンダクター)の働き方を巡り、東京の三田労働基準監督署が、残業代を支払うよう大手旅行会社の子会社に是正勧告していたことがわかった。業界団体の「給料打ち切り制度は長年続いており合法」との主張を否定する内容で、業界全体に影響が広がりそうだ。
阪急交通社の子会社、阪急トラベルサポート(大阪市北区)の派遣添乗員6人が、「何時間働いても1日9000円しかもらえない」と、過去2年分の残業代、1人あたり500万円前後が未払いだとして、5月に労基署に申告。労働者側によると、三田労基署は1日付で、時間外労働の実態を認め、残業代や深夜割増賃金を支払うよう是正勧告したという。
会社側は「添乗員は裁量の範囲が大きく労働時間を把握しにくい」として、あらかじめ決めた労働時間分を働いたことにする「みなし労働時間制」を適用していた。労基署は、添乗日報で労働時間が把握できることを指摘。マニュアルなどを通じて業務指示が旅行期間中も出されており、制度の対象とはいえないと判断した。
添乗員のみなし労働時間制は、ほかの旅行会社でも「長年の慣行」として幅広く実施している。今回の是正勧告で、他社にも働き方の見直しが広まりそうだ。
添乗員が入る全国一般東京東部労組は「会社側に都合のいい制度が否定された。添乗員全体の待遇改善につながる」としている。
阪急トラベルサポートは「勧告内容を精査中でコメントできない」としている。
http://www.asahi.com/life/update/1003/TKY200710030227.html
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