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2008年2月24日 (日)

『消される歴史の現場から』~JVJA 沖縄現地報告

23日、明治大学でのJVJA 沖縄現地報告~『消される歴史の現場から』~を聞きに行きました。
http://www.jvja.net/okinawa.htm

【日時】  2008年2月23日(土)
【場所】  明治大学リバティータワー 地下1001教室

日本ビジュアルジャーナリスト協会(JVJA)は、志あるフォト、ビデオ・ジャーナリストによって、「人々の側にたって人々のために報道する」ことを目的に活動しています。

http://www.jvja.net/profile.html

 この日の企画は、<沖縄>に焦点を当てたものでしたが、米軍兵による中学少女暴行事件、「あたご」の漁船事故などが重なる中で、なんともタイムリーな内容となっていました。
 講演者がそれぞれふれたように、沖縄の歴史と現在、つまり沖縄戦から米軍基地の島と、「本土」の「捨石」とされてきた沖縄の現実をふまえると、最近の事態が、決して偶然に重なったのではないと分かりました。

 司会進行は豊田直巳さん http://www.ne.jp/asahi/n/toyoda/
 報告者は、次の三名(発言順)で、取材撮影された写真をスライドで写しながらのお話でした。

■國森康弘  「日本兵が語る沖縄戦」歴史認識の空白を埋める

 これまで語られることがあまりなかった、「元日本兵による沖縄戦の証言」を集めた。沖縄県民 12 万人(一説には 15 万人)以上、沖縄県外出身の日本兵約 6 万 6 千人のほか朝鮮人や台湾人、米兵ら多数が亡くなった沖縄戦。そこでは、集団自決の強要をはじめ“スパイ容疑 ” での処刑や壕の追い出し等で、住民の多くが日本軍により死に追いやられた。では現場にいた日本兵はあのとき、どのような意識に基づき、どんな行動を取っていたのか ― 。また、 60 余年を経た今日、沖縄住民に対して何を思うのか ― 、なぜ今当時を語るのか ― 。元兵士達の証言は、その時代時代の政治力学によって右往左往する “歴史認識 ” の現状に、重い一石を投じる。
http://www.kunimorifoto.net/  

◎『世界』08年1月臨時増刊号「沖縄戦と『集団自決』」に、「<証言>沖縄戦と『集団自決』」を寄稿。

■山本宗補  沖縄戦からは国民を棄てる軍隊がよく見える

 八重山諸島の戦争マラリアで家族 16 人を失った女性、伊江島の壕での集団自決を運良く生き残った男性、投降しようとしたら日本軍の将校に「国賊」と罵声を浴びせられ日本刀で斬りつけられた男性など、沖縄戦を生き残った島民の戦争の記憶は一人一人の脳裏に深く刻まれている。日本軍の存在が住民を死に追いやった沖縄戦。敗戦間際、日本軍によって満州の荒野に切り棄てられた満蒙開拓民 27 万人のたどった惨劇。軍隊は誰のために存在したのか、共通項を考えてみたい。
http://homepage2.nifty.com/munesuke/
◎「信濃毎日新聞」にて、「沖縄―刻まれた記憶」連載にそって、報告会での講演内容でした。

■森住卓  ヤンバルの森から「集団強制死」の現場へ 

 強制集団死 の体験を語る、島人の涙と額に刻まれたシワは、消えることのない深い傷を物語っている。愛する妻を、我が子を。兄弟姉妹を自らの手にかけ、自分だけが生き残ってしまった苦悩。真摯で愚直、故に苦しみ続けた 63 年間。「 天皇の軍隊」の命令がなければ起こらなかった。あのことが歴史から消し去られようとした事を知った、 体験者 たちは重い口を開き始め、狂気の時代を語り出した。今、再びあの時代に戻してはならないと。
http://www.morizumi-pj.com/

 そして私としては、森住さんの最後の言葉を印象強く聞きました。
 「私は、この間の取材を通じて、このような点を考えさせられています。沖縄戦の悲惨な歴史は、戦前の絶対主義的天皇制のもつ残虐性の一つの帰結ではなかったか。そして、教科書検定に見られるように、この同種の問題がたびたび起こるのは、なぜなのか。それは、過去の悲劇をどれだけ一人ひとりが深く考えているのだろうか、と言うことです。今回、勇気を持って沖縄戦の証言を初めてしている方のお宅に伺うと、天皇や靖国神社の写真が飾ってありました。つまり人々の中で、内なる天皇制がなんの問い直しもなく、存在している。ここを脱しない限り、日本は民主主義の国となれないのではないか」

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