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2008年8月15日 (金)

イギリス政労使の派遣労働「同一待遇」合意

 『金融労働調査時報』(銀行労働研究会発行)、5・6月号(No.686, 6月1日発行)の「欧州労働リポート」のページに、イギリスで5月に政府、労組、使用者で合意された、「派遣労働と正規と同一待遇」の概要を紹介しています。

 「12週間就労した派遣労働者に正規労働者と同一待遇を保障する」という内容。
 賃金・有給休暇など、基本的な労働・雇用条件は、派遣先の企業の正規労働者と同一とする。一方、病休手当、年金など、社会保障制度は含まれない、としています。
 また、12週間の期限が来る前に、当該労働者の職務内容を変更して、使用者が規制を回避することを防止するため、「適切な防止措置」を講じることも盛り込まれています。

 

 これは、「英国労働組合会議(TUC)」と傘下組合が、6年間にわたって、たたかい、要求した結果であり、「英国では、非常の多くの派遣労働者が不公正かつ不当な待遇に苦しんでいる。合意は、は派遣労働者が受けるに値する、これまでよりはるかに強力な法的保護に門戸を開くもの」と評価した、と同記事は紹介しています。

 反対に、使用者側の見解では、派遣契約の半数が「12週未満」なので、「合意の影響は受けない」としています。

 ここで、もう一つ、関わってくる重要な点として、EU閣僚会議で取り決めた派遣労働の同一待遇を決めたEU司令(今年6月、こちらの記事で紹介)との関係です。

 使用者側は、今回の合意を通じて、EU指令に対して、英政府が労働時間指令についての「適用除外」(オプトアウト)の維持を認めさせるよう「期待する」としていることです。

 この「オプトアウト」とは、週48時間規制を、本人が同意すれば、外せるという制度で、これを認めさせれば、労働時間規制を空洞化することにつながります。

 同記事では、英国の「今回の合意をめぐる動きは、英国だけでなく、EUの労働者・労働組合全体に、派遣労働規制の確実な前進と、各国で進行中の事実上の労働時間延長阻止・時短実現のたたかいを強化することを迫っている」と結んでいます。

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