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2009年3月21日 (土)

川田忠明講演「文化にひそむ戦争と平和」

15日、婦人民主クラブ創立63周年の記念のつどいに行きました。
この集いの記念講演「文化にひそむ戦争と平和~ジェンダーの視点から」、講師・川田忠明さん(日本平和委員会常任理事)がお目当てです。

ギリシャ神話の音楽の神・ムーサイ(musicの語源)は、実に気まぐれで、二面性をもっている。軍隊を鼓舞するマーチも、戦争を拒否する連帯の力にもなる。ムーサイが人間の感性をまどわす「毒」を否定するのではなく、その「毒」を知り、操ることが、人間の意志として迫られるのではないか。

これが川田さんの中心モチーフです。

その代表例の一つとして、ベートーヴェンの「第九」を紹介しました。

パソコンでパワーポイントをスクリーンに映し、2つの動画を見せます
ひとつは、1942年4月20日、ヒトラー誕生祝賀演奏会(指揮、フフトヴェングラー、ベルリン)。もう一つは、1989年12月25日、東西ドイツ統一を記念した4カ国合同管弦楽団の演奏(指揮、バーンスタイン)。

もし、この両者の演奏を、何の映像、説明なしに、音だけ聞かされれば、どちらの演奏かは、区別できないでしょう。
同じ「第九」という音楽のもつ力は、戦意高揚にも、国の分断を解消を記念する平和的な場面にも、効力を発揮する。
ナチスは「第九」を悪用したわけではなく、そのもつ力の使用であったとみるべきではないか。その対照的な使われ方を、歴史の中で区別し、判断するのは、聞き手の人間自身が試されている、というわけです。

もう一点、この日の演題の「戦争と平和」という点で、印象に残った論点は、新しい価値観をはぐくむ上で文化がもつ力、という点です。

現在、世界はかなり大きな時代的曲がり角に差し掛かっていることは、政治的立場を超えて、共通認識として広がっています。

この日の講演では、パワポの資料にはあったのですが、時間的関係で残念ながらくわしく話は聴けませんでした。、
要点だけですが、おおよそ次のような内容です
軍事的にも、経済的にも「大国」が世界を牛耳る、「富と力」による支配の時代を超えて、国の大小、国力の強弱にかかわらず、平等・平和の相互関係を築くことが、時代の要請となっているというような議論をされていたと思います

そうした新しい世界観(価値観)にとって、あらゆる差別・敵対を超えたステージで、人間がより普遍的な存在として関係しあう上で、文化の果たす役割の大きさを指摘されていました

その点では、この日のテーマに関わる「ジェンダー」についても、性別による社会的格差を排除する上で、新しい課題として、クローズアップされる時代の到来を意味しているものという位置づけは、新鮮であり、かつ刺激的でもありました。

以上の論点は、昨年、川田さんが出された新著「名作の戦争論」(新日本出版社)に書かれています。この本は、私が昨年読んだ書物のうちで、重要度の高い1冊でした。

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